過去にヒットした広告を真似してもイマイチ反応がとれない・・・
その原因、見込み客の商品認知度を意識していないからかもしれません。
伝説のコピーライター、ジーン・シュワルツをご存知ですか?
ゲイリー・ハルバート、デイヴィッド・オグルヴィ、ダン・ケネディなどの超有名なマーケター、コピーライターたちが絶賛する現代広告の神のような人物です。
そんな彼が提唱した広告理論のひとつに”商品認知度”というフレームワークがあります。
このフレームワークを使えば、ヘッドラインで的外れなことを言ってしまうというミスがなくなります。
結果、売れる広告への第一歩を踏み出せるというわけです。
これから、そんな商品認知度について詳細を紹介していきますので、ぜひ読んでください。
5段階の商品認知度:見込み客が商品と自分の問題についてどれだけ知っているか?
「見込み客の認知レベルに合致しないメッセージは、たとえそれがどれほど雄弁で、創造性に富んだコピーであっても、完全に無視される」
ジーン・シュワルツが提唱した中でも実践的かつ強力なフレームワークが商品認知度の5段階です。
商品認知度は一言でいうと、
「見込み客が、商品や商品が解決する見込み客の問題について、どれだけ知っているか?」
ということになります。
この意識レベルを五段階に分けてわかりやすくしたものが五段階の商品認知度。
詳細はこれからじっくり語っていくとして、まずは全体をざっくりと。
商品 | 問題 | |
---|---|---|
商品認知度5 | 認知していて欲しいと思っている | 認識している |
商品認知度4 | 認知しているが欲しくない | 認識している |
商品認知度3 | 認知していないが、漠然とこんなものがあったらなーと思っている | 認識している |
商品認知度2 | 認知していない | 認識している |
商品認知度1 | 認知していない | 認識していない |
ここを抑えておかないと、どんなに強力なテクニックや言葉を使っても全く反応が取れません。
例えば、サプリメントの存在を知らない相手に「サプリメント半額セール」と言っても「は?」って返ってきますよね?
知らないわけですから。
また、客観的に見てハゲてるけど自分ではハゲていないと思っている人に向けて「ハゲ治しません
か?」といっても響かない。
こうやって言われると当たり前のことに思うでしょうが、実際にセールスレターを書くときにやってしまっているケースは珍しくありません。
でも大丈夫です。
これからはこのフレームワークを使えば外すことはなくなります。
1段ずつ見ていきましょう。
商品認知度5:商品を知っていて、欲しいと思っている。また問題も認識している
商品認知度5の段階でイメージしてほしいのが、欲しいものリストに商品を入れている状態。
その商品が知っていて欲しいと思っている、でも購入していない。
こういった見込み客は買うタイミングを待っているだけなので小難しい話は必要ありません。
「商品名+割引」さえ伝えれば売る力を持つことができます。
iPhone・大幅割引!みたいな広告よくやっていますよね
あれが代表的なものです。
さらにここに期間限定を加えることでさらにセールス力を高めることができます。
「iPhone大幅割引!今週末まで」って感じで今買う理由を付ければ見込み客を動かす力がグッと強まります。
お気づきでしょうが、この商品認知度5ではセールスライターの仕事は多くありません。
値引きや緊急性でターゲットの背中を教えてあげるだけでいいです。
長々と話してしまうと逆効果になるのでシンプルに言う。
これだけです。
なんせすでにその商品を欲しいと思っているんですから。
商品認知度4:商品を知っているが欲しいとまでは思っていない。問題は認識している
商品認知度4は商品を知っているが理解が浅かったり、そこまで効果があると思っていなかったりして欲しいとは思っていない段階。
例えば、名著と呼ばれるビジネス書。
みんながおすすめしているから知っている。
けどその中身については「読んでもどうせ変わらないでしょ」と懐疑的な目を向けている。
ただし、自分がその本の分野で悩んでいるという認識は持っているような状態です。
この段階の広告では次のような7つの突破方法を使ってヒットを狙います。
商品認知度4で使う7つの突破方法
- 見込み客の商品への欲求を強化する
- 商品が欲求を満たす様子をはっきりイメージさせる
- 商品が欲求を満たすときや場所を具体的にイメージさせる
- 新たな証拠や、詳細、裏付けデータを」もって、商品がどれほど欲求を満たすかを示す
- 商品が欲求を満たす能力を高めた新しいメカニズムを発表する
- 以前あった商品の欠点を解消する新しいメカニズムを発表する。
- 商品のイメージやメカニズムを一新し、同じ欲求を満足させることをうたう協業商品との競争から抜け出す
いくつかヘッドラインの例を挙げます
時速100キロで走るロールス・ロイスの車内で一番の騒音は電子時計の音でした
(3.商品が欲求を満たす様子をはっきりイメージさせる)もぎたての味——ドールのパイナップル
(1.見込み客の商品への欲求を強化する)言われないと気が付かないほど小さな補聴器
(6.以前合った商品の欠点を解消する新しいメカニズムを発表)
商品認知度3:商品を知らないけど「こんなのあればなー」と思っている。問題は認識している
商品認知度3は見込み客が商品のことについて知らず、なんとなく「こんなのあればなー」と思っているような段階。
もう少し正確に言うと、次に説明する商品認知度2の見込み客と違い、自分が抱えている問題について解決策になるような商品があったら欲しいと思っている状態(商品認知度2は解決策が欲しいとも思っていない)
商品認知度3のヒット商品でわかりやすいのが履けば足が速くなるという子供用運動靴「俊足」
小学生は運動会で大活躍できると人気者に慣れます。
だから多くの子どもが足が速くなる方法があれば欲しいと思っていました。
そこに「コーナーで差をつけろ!」というヘッドラインで「俊足」という名前の商品が目に入れば「欲しい!」となるわけです。
あとはなぜそれが叶うのかの説明をすれば売れます。
まとめると
- ヘッドラインで欲求や解決策を挙げ
- 解決策は実行可能であることを証明し
- 実行されるメカニズムが商品に備わっていることを示す
となります。
商品認知度2:商品について知らなくて問題に関してはわかっている
商品認知度2は見込み客が自分の抱えている問題について走っているが、解決策が欲しいと思っていない状態。
「どうやれば自分の問題が解決するのかわかっていない」とか「そんな解決策があるなんて想像できない」、「自分の問題と解決策が頭の中でつながっていない」みたいな感じです。
広告としては問題解決型が使えます。
「この商品を使えばその問題、解決できますよ」というアピールですね。
例としては借金に苦しむ人に過払い金返還請求売り込む。
「実はあなたの借金減らすことができますよ」みたいな。
地道に返していくしかないと思い込んでいた見込み客に「実はもっとラクにできます」と教えることで注意と興味を引き込んでいます。
ここでのポイントはヘッドラインで問題について触れることです。
いきなり「過払い金返還請求をやりましょう」と言われても見込み客はピンときません。だって知らないわけですから。
だから「借金」という問題のワードをいれる必要があるんです。
こうやって気づきを与える必要がある。
そして、本文、ボディコピーでその理由を説明したり、証拠を出していきます。
この流れを取る広告が問題解決型広告で商品認知度2で有効な手法です。
商品認知度1:商品も知らず、問題に気がついていない
一番難しいのが商品認知度1の見込み客。
この見込み客は商品のことも自分の問題のことも知らない。
例えるなら、口が臭いのにそのことき気がついていないし、口臭予防の商品についても知らない状態。
なので、商品認知度5~2までのように商品名や欲求、問題といった要素をヘッドラインで訴えてもまったく響かない。
本人に自覚がないので。
「口臭予防にリステリン」と言われても「ふーん。俺には関係ないや」となるわけですね。
そうなると僕たちセールスライターができることは、見込み客が知っている”見込み客自身の話”をすること。
また口臭を例にすると「最近デートがうまくいってない理由」「会社の同僚との会話が続かない」など見込み客の日常のシーンの話をする。
そうやって興味をひいて最終的に解決策である商品につなげていきます。
これが商品認知度1の見込み客をターゲットにする場合の戦略です。
まとめ
商品 | 問題 | |
---|---|---|
商品認知度5 | 認知していて欲しいと思っている | 認識している |
商品認知度4 | 認知しているが欲しくない | 認識している |
商品認知度3 | 認知していないが、漠然とこんなものがあったらなーと思っている | 認識している |
商品認知度2 | 認知していない | 認識している |
商品認知度1 | 認知していない | 認識していない |
以上が商品認知度の5段階になります。
このフレームワークを使えば的外れなヘッドライン、広告を書く心配がなくなります。
見込み客が何を知っていて、知らないのか。
それを意識することを忘れないでください。
また、今回紹介した商品認知度は伝説のコピーライター、ジーン・シュワルツが提唱した広告理論です。
彼の書籍「大衆心理と広告技法」はコピーライティングを学ぶなら避けてはいけないバイブルです。
内容も難しく値段も高いですが、読み込めば読み込むほど売れる広告について理解が深まるのでぜひ手に取ってください。